M型とW型
ダブルトップは、上昇のあと似た高さで高値が2回付き、その間に谷が一つある形です。アルファベットのMに似ているのでM型と呼ばれ、二番天井ともいいます。ダブルボトムはこれを逆さにしたW型で、下落のあと似た高さの安値二つとその間の山からなり、二番底ともいいます。この記事ではヘッドアンドショルダーと同じように、M型の谷の安値とW型の山の高値を通る水平線をネックラインと呼ぶことにします。
- ダブルトップ(M型):高値二つと間の谷。谷の安値がネックライン
- ダブルボトム(W型):安値二つと間の山。山の高値がネックライン
- 先行するトレンドがあってこそ反転型として説明される
確定はネックラインを終値で越えたとき
ダブルトップが完成するのは、2つ目の高値のあと、価格がネックライン、つまり谷の安値の下で終値を付けたときです。トレンドの言葉でいえば直近安値を終値で割ったことになり、高値と安値がともに切り上がっていた上昇の構造が崩れたという意味になります。ダブルボトムは反対に、二つの安値の間にある山の高値を終値で上抜けたときに完成します。それまでに確認できたのは、似た価格で2回止まったという事実だけで、どちらに抜けるかは決まっていません。
例: 架空の価格で描いたダブルトップ(M型)です。似た高さの二つの高値の間にある谷の安値(119)がネックラインで、2つ目の高値のあと終値がネックラインの下で引けたときに完成します。
二つの高値がぴったり同じである必要はない
二つの高値(安値)の高さが正確に同じである必要はありません。2つ目の高値が少し低いこともあれば、1つ目の高値をわずかに超えてから押し戻されることもあります。どれくらい似ていればよいかには決まった基準がなく、人によって許容する差が違います。二つの高値の間隔も見ます。足数本の差で並んだ二つの高値は1回の揺れと区別がつかないため、教科書では両者の間に十分な時間が必要だと説明します。出来高は2つ目の高値で1つ目より少なく、ダブルボトムならネックライン突破のときに増える姿を典型として挙げます。これも条件ではなく、典型についての説明です。
目標値の計算
目標値はヘッドアンドショルダーと同じ方法です。ダブルボトムなら安値からネックラインまでの高さを測り、ネックラインを上抜けた地点からその分だけ上に移します。下の図では1つ目の安値が108、ネックラインが121なので高さは13、目標値は134です。二つの安値の高さが違う場合は低いほうを使うこともあれば平均を使うこともあり、同じチャートでも目標値が少しずつ変わります。ダブルトップは反対に、高値からネックラインまでの高さを、割れた地点から下に引きます。どちらにしてもパターンの大きさを移してみた計算にすぎず、価格がそこまで行くという意味ではありません。
例: 架空の価格で描いたダブルボトム(W型)です。二つの安値の間にある山の高値(121)がネックラインです。1つ目の安値108からネックラインまでの高さ13を、上抜けた地点から上に移した134が目標値です。
トリプルトップ・トリプルボトム
似た高さで高値が3回付けばトリプルトップ、安値が3回ならトリプルボトムと呼びます。確定の方法は同じで、トリプルトップは間の二つの谷で決めたネックライン(二つの谷の高さが違えば、多くは低いほう)を終値で割ったときに完成します。真ん中の高値が両側よりはっきり高ければヘッドアンドショルダーになるので、トリプルトップは頭が肩より高くないヘッドアンドショルダーと見ることもできます。同じ価格で3回止められたということは、その価格帯がそれだけ目立つ抵抗だったという意味ですが、4回目に抜けることもあるので、回数だけで結果を決めることはできません。
確定前の2つ目の高値は抵抗に届いただけ
2つ目の高値が1つ目の高値の近くで止まるとダブルトップと呼びたくなりますが、その時点で確認できたのは、価格が以前の高値という抵抗帯にもう一度届いたという事実だけです。その後は、ネックラインを割ってダブルトップになる、二つの価格の間を行き来するレンジになる、抵抗を抜けて上がっていく、という三つの道がすべてありえます。下の図は三つ目の場合です。サポート・レジスタンス自動検出ツールは、このようにスイング高値が集まった価格帯をゾーンとしてまとめて示しますが、そのゾーンがどちらに抜けるかまでは教えてくれません。
例: 架空の価格です。2つ目の高値が1つ目の高値の近くで止まってダブルトップのように見えましたが、ネックラインを割らずに反発し、二つの高値の抵抗帯を上抜けました。確定前の2つ目の高値は、抵抗に届いただけです。
どの時間足で見たWなのか
同じW型でも、15分足なら数時間でできた形で、週足なら数か月から数年かけてできた形です。足が短いほど、似た価格で2回止まる形がより頻繁に目に付き、そのぶんノイズと区別しにくくなります。目標値の大きさもパターンの大きさに従うので、短い足のWが示す目標は小さくなります。また、大きな足で下降トレンドが続いている最中なら、小さな足のダブルボトムは大きな流れの中の一時的な反発かもしれません。時間足ごとに違って見える流れをあわせて読む方法は、「マルチタイムフレーム分析」の記事で扱います。
この記事が述べないこと
ダブルトップ・ダブルボトムがどれくらいの頻度で完成し、目標値に届くかについての数字は載せていません。二つの高値の許容差、間隔、確定基準をどう取るかで結果が大きく変わり、この講座がバイナンスの過去の足で直接測った統計にはチャートパターンが含まれていないからです。この形は過去のチャートで探すのは簡単ですが、チャートの右端でできている途中では、先ほどの三つの道のうちどれなのかわかりません。結果を隠したチャートで自分で判断してみるチャート予想クイズは、後から見える形とその場で読む形がどれほど違うかを確かめる一つの方法です。
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